はじめに

こんにちは、やななです。
今日は7歳の息子の「癇癪」についてお話させてください。
「うちの子、なんでこんなにすぐ怒るの?」
「わたしの育て方が悪かったのかな」
あなたは、そんな風に自分を責めていませんか?
以前、わが家の発達障害のある息子は、カッとなると暴言・他害が出るというお話をしました。
それはいわゆる「癇癪」というもの。
息子が癇癪持ちになってから早7年。
イヤイヤ期で合法的に(?)癇癪を起していた頃から「いつか落ち着く」と信じて、こんなに時間が経ってしまいました。
否応なく、わたしは、自分を責めました。
今も「自分の育て方が悪かったのかな」と、自己嫌悪に陥ることがあります。
さらにある日。
支援者からも「お母さんやお父さんが優しいから、こうなったんです」とお叱りの言葉を受けたこともありました。
たしかに癇癪を起こしても、見守って、なるべく優しく対応してきたと思います。
でも、落ち込みながらも、どこか「いやいや、これは特性なんだよ」と言い返したくなる私。
今日はこの記事で、癇癪のメカニズムをあらためて振り返ってみたいと思います。
また、やなな家の癇癪エピソードや対応について綴っていきますね。
同じように「癇癪」に悩むお母さん、お父さん方に届いたら嬉しいです。
それでは、お付き合いのほど、どうぞよろしくお願いします。
そもそも発達障害の子の「癇癪」って何?

まず「癇癪」とは何か、振り返ってみましょう。
早速、ChatGPTさんに「癇癪」とは何かを聞いてみました。
「癇癪」とは「自分の感情をうまくコントロールできず、強い怒りや不快感が爆発する状態のこと」だそうです。
また、このようなことも教えてくれました。
・特に子どもに多く見られる
・発達障害のある子どもではその頻度や強さが目立つことがある
まさに「その通りです」と赤べこくらい頷きたくなります。
ちなみに「癇癪の特徴」は、以下の通りだそうです。
・きっかけが些細なことに見える(例:靴下がうまく履けない、予定が変わった など)
・怒り・泣き・叫び・物を投げる・叩くなどの行動が突然現れる
・自分でも止められない(理屈では収まらない)
・周囲の対応次第で、長引いたり落ち着いたりする
繰り返し、赤べこくらい頷いております。(しつこい)
「癇癪」が起こる背景について

こちらは、簡単に図解してみました。

わが息子7歳の場合は、人の気配や音にとても過敏です。
さらに元来、不安の強い子どもです。
それゆえ集団の中にいるだけで、すぐに疲れてしまう。
疲れているから、些細な刺激で大癇癪を起こす。
ついでに大癇癪を起こせば、周りから人が居なくなって快適になる。(本当にやめてほしい)
こんな負のループができあがってしまったように思います。
そしてここで言いたいことがあります。
癇癪は決して「育て方」で起こる訳ではないということです。
自閉スペクトラム症(ASD)やADHDの特性から「癇癪を起こしやすい」のは確かです。
だけど、親が子どもを疲れやすく、刺激に弱く、育てたわけではありません。
もともとそういった性質を持って生まれてきただけなのです。
大切なのは、どうやって「癇癪」を減らしていくか、です。
自分を責めたからって、どうにもならないことですからね……!(と、自分に言い聞かせる)
わが息子の癇癪エピソード

息子は、今日も「癇癪」を起こしました。
公園で遊んで、しばらく経った頃のこと。
遊びつくして飽きてきた息子は、わたしのスマホで、写真を撮り始めました。
すると3羽の鳥が、バサバサと鉄棒の下に降り立ちます。
息子が写真を撮ろうと近づいた瞬間。
バサバサ……
鳥たちは飛び立ってしまいました。
息子はその場で「うわぁぁあぁぁぁあぁぁ!」と怒り泣き。
近づけば蹴ろうとしてきます。
「ふざけんなぁぁあぁぁあ!」と暴言も吐いてます。
これが2歳の子どもがやることなら可愛いのにと、ため息をつくばかりです。
つい「こんなことで?また?」と癇癪を鬱陶しく思ってしまいます。
人の居ない公園にだったからこそ、気持ちを保てたものの。
これが大勢の親子が群れを成す公園だったら、もう泣いていたでしょう。
しばらく放置した後。
投げられたスマホを拾って「この空の写真めっちゃ綺麗じゃん!」と叫びます。
「この葉っぱも綺麗!」
「どこで撮ったの!?」
そう言うわたしに、息子は近づいてきて「これはね」とケロリと機嫌を直しました。
一方、わたしは内心ホッと胸をなでおろしています。
この時はすぐに落ち着きましたが、なかなか落ち着かない時だってありますから。
息子の場合は、基本、違う方面に気を逸らすことで、段々と落ち着いてきます。
癇癪が起きる前~起きた後の対応3つ

1.癇癪の前兆に気づいて遠ざける
まず癇癪を起こす前に、手を打てるなら打ちたいところです。
息子の場合、目がトロンとしてきたら要注意サイン。
「疲れている」と圧倒的に癇癪を起こしやすいのです。
そのくせ、本人は自分の「疲れ」の感覚にまったく気づきません。
なので「そろそろ疲れたよね」と声を掛けて、休ませるようにしています。
(先ほどの公園でのエピソードも、疲れが原因だったと思います。)
最近、母子登校を頑張っています。
でも、目がトロンとしてきたら「そろそろ疲れたね、帰ろうか」と声を掛けるようにしています。
(そうでもしないと、きっと些細なことで大爆発してしまうので……)
2.家で癇癪が起きたら「トイレ」に閉じこもる
癇癪対応でよく言われる「ひとりにしてクールダウンさせる」方法。
わが子は不安が強くて、ひとりで部屋に居られないので、この方法は逆効果です。
かといって、大癇癪中に自宅のリビングに居てもらったら最後。
周りの大事なものも、おもちゃも、すべて薙ぎ払われてしまいます。
なので最近は、トイレに引きずっていくようにしています。
トイレは静かで、狭くて、落ち着く空間のようです。
母とふたり閉じこもって、ひたすら待ちます。
最初は壁を殴ったり蹴ったりしていても、すぐに落ち着いてきます。
3.癇癪後は、安心毛布に包んであげる
癇癪後は、まだくすぶっている状態。
ここで「何で怒ったの?」なんて聞いたら、わが子は「うるせえ!」と再爆発します。
とにもかくにも、自宅であれば、冬用の厚手の毛布を息子に渡します。
肌ざわりが好きなようで、くるまると落ち着いてきます。
(大きな問題点は、普通の布団なので、外に持ち出せないことですね……)
また落ち着いて話せそうになったら「さっきはどうして怒ったのかな?」と振り返ります。
が、わが子は「もうその話したくない!」と第2の癇癪が勃発すること多々あり。
共感・振り返りの過程が、なかなか難しい日々です。(大きな課題)
わが家の癇癪対応、実のところ
もちろん、何より「癇癪を起こさせない」のが1番大切だと思っています。
だけど本当のところは、失敗することばかり。
先日、花の苗をポットから植えかえる時、まさかの葉っぱを地面に埋めた息子。
「ちょっと待って!」と何度か声を掛けたら、ブチ切れ、癇癪を起こさせてしまいました。
失敗の恥ずかしさと、自分の譲れないこだわりとで、パニックになったのでしょうね。
こんな感じで日々癇癪と闘いつつ、なんとか頑張っています。
王道の癇癪対処法は、なかなかわが家には馴染まなくて……
親子ともども少しでも「楽にやれる方法」を試してきた、というのが正直なところです。
癇癪を起こさせない対応、起こした後の対応に「王道の正解」はないのだと感じます。
その子やその親によって、より良い対応を、その都度、探っていくしかない。
発達児育児は、本当に大変だなと、書きながら改めて思わされています。
おわりに
体が大きくなればなるほど、癇癪を起こされると大変になりますよね。
うちの子は7歳の割にガタイが良いので、力で抑えるのも大変になってきました。
「癇癪はひとりにしてクールダウンさせて、落ち着くまで見守る」
そんなことができたら良かったのに、と発達関連の本を読んでは白目を剥いてます。
(ひとりにしようものならギャーギャー叫び殴りながら追いかけてくることでしょう。)
冒頭で「お母さん、お父さんが優しいからこうなった」と言われた件について。
ここまで振り返ってみて……
「やっぱりそんな訳ない!やれることはやってきた!」と今なら言い返せる気がします。
常日頃、厳しく対応していたら癇癪を起こさないとでも?
そもそも癇癪を起こさせたいと思う親がいるか?
わざわざ癇癪を起こさせるような対応をすると思うのか?
そうやって過去の支援者に、問い詰めたい気持ちでいっぱいです。
さて、いま、癇癪に悩むあなたへ。
とにもかくにも、自分を責めるのは、やめにしましょう!
自分にも言い聞かせつつ、そうやって大声で叫びたいです。
あなたのせいじゃないです、絶対。
むしろ、こんなに大変な癇癪と日々闘っているあなた。
本当によく頑張っているお母さん、お父さんなんです。
今すぐ抱きしめにいきたいくらいです。
今は癇癪持ちの息子ですが「成長とともに、気持ちのコントロールがつくようになる」と言ってくださる支援者の方も沢山います。
その言葉を信じて、今は癇癪を受けとめていきましょう。
……いや、受け流せるよう、頑張っていきましょう!
(ガッツリ受けとめたら割とまじで心身壊れてしまうので)
さあ、今日も癇癪と闘ったひとりの母が、ここにいます。
あなたは、ひとりじゃありません。
癇癪を受け流しつつ、子どもも親も、少しでも楽に過ごせる毎日になりますように。
あなたが笑顔で過ごせること、心から祈っています。
今日も、明日も、また1日、一緒に頑張っていきましょうね!

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