はじめに
こんにちは、やななです。
皆さんのお子さんには、以下のような行動はありますか?
・要求が通らないと蹴ってくる
・腹が立つことがあると引っかく
・気に入らないことがあると叩く
発達障害のある息子は、感情のコントロールがとにかく苦手。
上記のような場面で、他害行動をしたり、暴言を吐いたりしてしまいます。
そんな息子と日々暮らしている私。
暴言や他害行為との向き合い方を、綴っていきたいと思います。
直面する暴言・他害の日々

息子は、気分の調子の波が大きい子どもです。
調子が悪い時は、朝起きた瞬間からわかります。
「どうしてお前が先に起きるんだよ!」
先に目を覚ましていた娘に対して、怒鳴りつけはじめます。
娘が歯向かえば、手を出そうとするときもあります。
また、学校で母と離れる時間になると、暴れだします。
母や先生に向かって暴言を吐き、手や足が出てしまいます。
でもやがて、気持ちが落ち着いてくると、しょんぼりした顔になる息子。
「ママ、さっきはごめんね」
コントロールできない大きな怒り。
息子自身、振り回されているのを、日々感じています。
どうして暴言・他害が出るの?わが子の理由4選

1.根底の不安が強いから――発達特性によるもの
息子は、自閉スペクトラム症(ASD)とADHDを抱えています。
このASDの特性により、不安の強さが起きていると言われています。
・見通しの立ちづらさ
・感覚の過敏、鈍麻
・過去の「うまくいかなかった経験」
・気持ちの言語化が苦手
わが子は色々な感覚過敏があり、とても疲れやすいです。
それなのに、疲れていればいるほど、特性は強くなりがち。
ストレスの多いことで心が常に不安定です。
2.気持ちを抑える力が弱いから――衝動性と切り替えの苦手さ
ADHDでは、「衝動を抑える機能が弱くなりやすい」と言われています。
またASDでは、もともと「気持ちの切り替えが苦手」という特性があります
結果として、場面の切り替えなどに不安を感じ、ちょっとしたことで爆発してしまうと言われています。
また定型発達の子ども達より「自分で気持ちを落ち着ける力」「相手に感情を伝える力」をみにつけるのがゆっくりで、力をつけるためには周囲のサポートが必要になります。
年齢に比べて感情のコントロールが幼く見えるのは、こういった理由からだと思われます。
3.要求を通す方法として「誤学習」しているから――暴れて要求が通った経験
誤学習とは「望ましくない行動が、繰り返しの中で強化されてしまった状態」のことです。
・本人が「嫌だ!」と叫んだときに、大人が要求を引っ込める。
・暴れた時に、周囲があわてて本人の望む対応をする。
上記のような対応が繰り返されることで
・暴れたら思い通りになる
・暴言を言えば大人は言うことを聞く
そう、学習してしまうのです。
親としては反省しきりですが、息子はこういった誤学習をした結果、暴言や他害行為が定着した面もあると思います。
4.「二次障害」が起こっているから――「強いイライラ」と「自己否定」
「二次障害」とは「もともとの発達特性に加えて、周囲の理解不足・環境ストレス・失敗体験などによって後から生じる精神的な問題」を指します。
代表的な二次障害は、以下の通りです。
・不安障害
・抑うつ状態
・強いイライラ(情緒不安定)
・自尊心の低下、自己否定
・心因性の体調不良(頭痛・腹痛など)
わが子の場合は「強いイライラ」と「自尊心の低下」が当てはまります。
暴言や他害行為は、以上のように心の「SOS」とも言えるのです。
暴言・他害行為に向き合う、私の正直な気持ち

“本人が、望んで暴言や他害行為をしている訳ではない”
頭ではわかっていても、私は、暴れるわが子を「怖い」と感じてしまいます。
7歳のちいさな体でも、全力を出せば痛いです。
引っかかれれば当然のように怪我をします。
息子の怒りに引きずられ、カッとなって「やめてよ!」と強く言い返してしまう日もあります。
10分間殴られ続けて、やり返してしまったことも、正直ありました。
相談した児相には「身体的虐待になりますから、やめてください」と注意されました。
「子に殴られる親は、我慢して傷つけられるしかないの?助けてもらえないの?」
決死の思いで相談したからこそ、虚しく感じたことを、今でも忘れません。
現状、子に暴力を受ける親のできることは、警察を呼ぶことくらいです。
だけど7歳の息子が暴れた時「怪我するほど殴られるわけでもない、私が我慢すればいいから」と、どうしても思ってしまいます。
なかなか根本的な解決も難しいことなので、根深い問題だと感じています。
そんな私が、息子にしてあげられること

つい、息子の怒りに引きずられてしまうこともあります。
でも私は、できる限り「息子の気持ちを言葉にかえる」よう、努めています。
「帰るのが嫌だったんだね」
「このおもちゃが使いたかったんだよね」
「できなくて悔しかったんだね」
息子に言い聞かせるように、言葉にして繰り返します。
逆上して暴言・他害行為が酷くなることもあるけれど、やがて落ち着いてきます。
できる限り、苦しんでいる息子の「SOS」をしっかり受けとめてあげること。
それが、いつか息子自身の自己理解に繋がると信じています。
おわりに
暴言・他害行為のある子どもを育てている方へ。
人一倍、気苦労が多い日々を送っていることと思います。
私も、他のお子さんや先生方に、怪我をさせてしまわないか、不安に思わない日はありませんでした。
今、息子は不登校気味。
暴力が私にしか向かないのは、ある意味、気が楽だと思ってしまうほどです。
子から暴言・他害行為を受ける親は、より一層「自分を癒す時間」が大切だと痛感しています。
どんなことでも良いから、毎日自分を褒めて、抱きしめてあげてほしいです。
そうすることで、1回でも、子どもの暴力・他害行為を冷静に受けとめられるかもしれない。
カッとなってしまった自分も、どうか落ち込まず、慰めてあげてください。
毎日暴言・他害行為を受けとめて、さらに自分で自分を責めてしまったら、壊れてしまいます。
暴言や他害行為の背景にある、子どもの思いを受け止めることは大前提です。
でも、子を想うだけ、自分自身も同じだけ想い、癒してあげながら過ごしたいものです。
大変な毎日ですが、今日も明日も、一緒に乗り越えてゆきましょうね。

コメント
はじめまして。
私は娘がグレーゾーン4歳で他害、脅しがあります。
私自身も発達障害者なので気持ちの切り替えが難しいこと、抑えるのが難しいことはとてもよく分かるのに、他害や脅しを受けると怖いと思うしムカついてしまいます。
虐待が子どもの心を深く傷つけることは分かってはいるけど、娘の言うことを聞かないと他害や脅しを受けるのに私が少しでもやり返したら虐待になるのしんどいな…と思ったこともあります。
暴言や他害を受けても息子さんを信じて寄り添って気持ちを代弁するやななさんを本当に尊敬します。
本人の様子に合わせながら言葉を選び、自分は落ち着いているように見せ歯を食いしばり自分とも見つめ合う修行のような時間に私は感じるので本当に真正面から息子さんと向き合おうとされてるんだなと思いました。
4歳女の子でも対応が大変なのに7歳男の子だと肉体的にも精神的にも本当に本当に頑張られているんだろうなと感じます。
上手く言葉に出来ないので不快な思いをさせてしまったらすみません。時々Twitterを拝見していてやななさんは生きてるだけで花丸どころか「生きてるだけ」ではなく120%以上の力を出してたくさん頑張って生きてるという感じがしていて花丸じゃ足りないくらいだと思ってます。
やななさんに無理をして欲しい訳では無いのですが、私の母がやななさんのような真正面から向き合おうとしてくれる人だったら良かったのになと思います。でも母もシングル、私もシングルなので分かりますが母は母なりの120%を頑張っていたんだとも思います。難しいです😂
シングルだと「無理しないようにね」と言われても無理をするしかなくて、発達障害のある子が居ると子どもが悪いわけではないけど120%やそれ以上を出さざるを得ないですよね。
応援することしか出来ませんが少しでも休める時間が見つかったり120%を100%とか98%とか落とせる日がありますようにと願っています。長々と失礼しました🙇♀️
に~さん、コメントありがとうございます、大変うれしいです。
に~さんのコメント、一字一句、うなずきながら読みました。
子供からの他害・脅し、大人の自分でも怖いですし、何より気持ちが辛いですよね。
そして大人から同じことをしたら、一発で「虐待」となってしまうことのプレッシャー、本当よくわかります。
私も、みっともないくらい「大人」である自分を忘れて、怒ってしまったことあります。沢山あります。
癇癪を起こしている子どもに、客観的に自分と子どもを見て、怒らず対応すること、修行でしかないです。
に~さんもまた、120%、いや200%、それ以上頑張っていらっしゃること、文面からよくわかります。
「無理しない」が無理な毎日ですが、どうか、できる限りご自愛くださいね。わたしも休める時は休みますね。
いつも見守って下さって、コメントまでいただいて、本当にありがとうございました!