はじめに

こんにちは、やななです。
8か月間、児童精神科に入院していた発達障害のある8歳の息子。
とうとう退院の時を迎えます。
強い発達特性や不登校、不安を抱えたまま迎える退院。
児童精神科の退院後の生活は、決して「ゴール」ではありませんでした。
親として感じている不安と、
それでも見えてきた小さな成長について、今の思いを綴ります。
半年以上、児童精神科に入院していた息子。
退院後にどうなるのか、どんな生活が待っているのか。
正直なところ、今もはっきりした答えは見つかりません。
先月からはじまった試験登校での姿を見ては、一喜一憂しながら迎える退院の日。
今日はあらためて、これまでの成長を振り返りながら、
児童精神科退院後に向き合うことになる現実について、考えていきたいと思います。
最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。
児童精神科に8か月入院することになった理由

1年前、児童精神科の入院病棟がある病院に転院しました。
発達障害による元来からの強い不安、そしていくら服薬調整しても治まらない「暴言暴力」が、入院を考えた大きな理由でした。
初診での主治医の見立ては「母子の過剰な癒着」が原因で、暴力がやめられないのではということでした。わたしはショックを受けながらも、その言葉を重く受け止めました。
その頃はあたらしい学年での授業が始まり、また不登校になりかけている時期でもありました。母子登校をしなければ登校できない状況になっており、母子の癒着が進みつづけるだけの毎日を送っていました。
続けて主治医は、母から離れる練習をするために、入院をするのも一つの手だと言いました。
わたしは複雑な気持ちを抱えながらも、お願いしますと声を振り絞りました。
「息子のためになるなら何でもしたい」と、藁にも縋る思いでした。
それから待つこと数か月。
医療保護入院という形で、息子の児童精神科での入院生活がスタートしました。
児童精神科での入院生活で息子に起きた変化

息子はまず、児童精神科の奥にある、閉鎖病棟に入院していました。
当時は強い暴言・暴力が見られたため、主治医の判断で、すぐに開放病棟へは行けない状態でした。
最初はわたしから離れる時、泣いていた息子。
あの時はまだ7歳でした。
面会のたび、涙をこらえて、笑顔で手を振って別れる日々でした。
でも2週間もたてば、息子は泣かなくなりました。
面会に行けば、笑顔で出迎えて、笑顔で見送ってくれるようになりました。
病棟からかかってくる電話の数もぐっと減りました。
やがて息子は、院内学級へ通うようになりました。
小学校ではまったく授業を受けず、教室から抜け出しては、校庭に飛び出していく毎日だった息子。それが嘘のように、授業を受けられるようになりました。
今までほとんど読めなかったひらがな・カタカナをマスターし、何と漢字まで書けるようにもなったのです。
そして迎えた夏、8歳の誕生日。
病棟を出て、病院のロビーでお祝いしました。それから、看護師さんの付き添いがなくても院内を散歩できるようになって、時間を守って病棟へ戻る事ができるようになっていました。
暴力や暴言が減ったことで、開放病棟に転科した10月。
「友達をたくさん作って、集団の中でも楽しくすごせるようになること」を目標とした転科でした。その中で外泊もできるようになり、段々と家で過ごす時間が長くなってゆきました。
開放病棟でもお友達がたくさんできて、面会に行くたびに「〇〇くん、遊ぼう!」と声を掛けてくれる子が増えているのを感じました。息子が笑顔で「わかった、お母さんが帰ったら遊ぼう!」と答えている姿に、毎回ほっこりしていました。
たくさんの経験を重ね、できることが増えていった息子は、次のステップとして、地元の小学校へ戻って学ぶ「試験登校」を始めるようになりました。
退院前から始まった試験登校の様子

地元の小学校での試験登校は、まず2時間だけからのスタートでした。
以前は、母子登校をしていた息子。また離れられなくなるのではないかと不安に思っていましたが、その日は自分から「行ってきます」と手を振ってくれました。思わず胸がいっぱいになり、帰り道は涙がこぼれました。
やがて登校時間は3時間に増えましたが、とても順調でした。授業も落ち着いて受けられるようになり、「崩れることもありますが、すぐに気持ちを切り替えて頑張っていますよ」と担任の先生が教えてくれました。
ところが、1時間目から給食まで通うことになった途端、状況は大きく変わり始めました。車から降りられず、母と離れられない状況が再びはじまったのです。
泣く泣く物で釣って、何とか学校に行ってもらえるように懇願する毎日。
「また不登校になってしまうかもしれない」と嫌な言葉が頭をよぎり、時が8か月前に戻ってしまったような、深い絶望を感じました。
それでも、確かに感じた息子の成長

だけど、8か月前、児童精神科入院前の息子と較べると、確かな成長を感じます。
何より変わったと思うのは、暴言や暴力が減ったことです。以前まで要求が通らなければ、すぐ暴言暴力が出ていた息子。それが、人に対して他害することはなくなり、ぐっと堪えている様子が見られるようになりました。(ときどき、物には当たってしまいますが……)
そして、学習面で大きく遅れていたのが、今はちゃんと学年通りの勉強をできるようになってきていることも、成長したところだと思います。「勉強が楽しい」と言うようになった息子を見ると、心から嬉しい気持ちになります。
気持ちの切り替えも、随分早くなりました。また今の状況や思いを、客観視して、言語化して上手に伝えられるようにもなってきています。小学2年生でここまで言葉にできるのは凄いなと、親のわたしも感心しています。
発達障害がある以上、苦手なことも得意なことも、それぞれあると思います。その中で、着実に言語化能力などの得意な部分が伸びてきていると感じています。
児童精神科退院後の生活に向けて、今考えていること

息子が退院することは、ひとつのゴールではありました。
でもこれから先も、息子との生活は続いてゆきます。
新学期を迎えて、また不登校になってしまうのではないか。
そうでなくとも退院したら「やっぱり学校には行かない!」と言い出すのではないか。
そんな不安は、いつまでも尽きることがありません。
それでも、この8か月の児童精神科入院は、息子にとって、そしてわたしにとっても、意味のある時間であったと、胸を張って言えます。
主治医や看護師、ソーシャルワーカー、心理士など、たくさんの支援を受けながら、息子は大きく成長してくれました。わたしも同時に、親としての在り方を見つめなおす時間をもらうことができました。
発達障害を持つ人も、もちろんそうでない人も、良い時や悪い時、誰にでも調子の波はあるもの。たとえ今がつらい時だと感じても、これが永遠に続くわけではない。
そのことを心に刻みながら、これからも息子、そして娘の成長を見守り、伴走できる親であれるように頑張っていきたいと思います。
おわりに
退院はゴールではなく、ここからが本当のスタートなのだと思います。
正直、退院後の生活、不安はたくさんあります。
息子が調子を悪くするかもしれないし、わたし自身が調子を崩すかもしれない。思うように生活が回らない日もきっとあるでしょう。
それでも、8か月前とは違う息子がここにいます。
そして、逃げずにここまで向き合ってきたわたしもいます。
完璧な毎日じゃなくてもいい。
うまくいかない日があってもいい。
「今日をなんとか生きのびた」それだけで十分。
もし今、子どもの児童精神科入院や、退院を前にして不安を抱えている方がいたら、「ひとりじゃない」と伝えたいです。
私もまだ、挑戦の途中です。
これからも、試行錯誤の日々を綴ってゆこうと思います。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
それではまた、次の記事でお会いしましょう。


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