児童精神科に入院した息子と、はじめての面会――笑顔と泣き声に揺れた母の心

児童精神科に入院した息子と、はじめての面会.png 不登校・分離不安
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はじめに

こんにちは、やななです。
今日は、児童精神科に入院した息子のもとへ、はじめて面会に行ってきました。

子どもを、精神科に入院させる。

それは親として、簡単に決断できることではありません。

わたしも悩みぬいて決めた、ひとりです。


今日、息子が児童精神科に入院してから、はじめての面会へ行ってきました。

あっという間の30分を過ごし、息子と2度目のお別れ。


どうか、ここで気持ちの整理をさせてください。

長くなりますが、最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。

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入院生活に慣れない息子の姿、募る申し訳なさ

昨日、入院してからはじめて、息子から電話がありました。

「はやく帰りたいよ」

その言葉にぎゅっと胸が痛みます。

「ママもがんばるから、息子もがんばってね。明日会いにいくね。」


そうやって電話を切った翌日の面会。

やけに緊張しながら病棟へ向かうと、看護師さんが出迎えてくださいました。


「息子くん、入院した日から、お風呂に入れてないんです」


最初のひと言に、ちいさなショックを受けました。

はじめから順調に生活できる訳がないのは、わかっていたつもりでした。


でも、わたしのもとに居たら、当たり前にできたことができていない。

その現実に、息子に申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまいました。


息子に会うと、落ち着かない様子で、ずっと室内をうろうろ歩き回っています。


「ぼく、朝起きると、毎日気持ち悪くて、下痢もしてる」

「白いご飯と麦茶しか、食べられてない」


今すぐにでも連れて帰って、好きな物をたくさん食べさせてあげたい。

そう思いながら、笑顔で「がんばってて偉いじゃん」と言うしかありませんでした。

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「くさっ」と笑い合った30分――ほんのひとときの親子時間

面会が許されているのは、たったの30分。

息子とその間、色々な話をしました。


病棟内のお友達と遊べていること、でもそのお友達がもうすぐ退院すること。

夜はひとりで眠れないから、部屋の外に看護師さんに居てもらっていること。

テレビを見ても、レゴをしても、やっぱりママに会いたくなること。


ちいさな心と体で、精一杯いろんなことを感じて、がんばっているのが、伝わってきます。


すると、突然。

クンクン。

息子が、自分の足のにおいを嗅いで「くさっ」と言いました。


「ねぇ、ママもにおってー!」


3日もお風呂に入っておらず、靴下も替えていなかった息子です。

なかなかの香りがして「くさっ」と言って笑い合いました。


笑顔を見られてホッとした気持ちと。

この入院が「本当にこの子のためになるのか」という不安と。

いろいろな思いがありながら、あっという間に30分が経ってしまいました。

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扉の向こうで聞こえた泣き声、「母親失格」の思い

面会の終わり、看護師さんが部屋まで迎えに来てくれました。

「息子くんは、この線までだよ」

息子は、不安げな顔をしながらも、そこで立ち止まりました。


「ママ、またね」と、手を振ってくれました。

でも扉を閉めた途端、すぐに大きな泣き声が聞こえてきます。


「一緒に帰れなくて、ごめんね」


我慢していたけれど、車に向かう途中でわたしも涙が出てしまいました。


「寂しい、一緒にいたい」と思う気持ち。

「入院させて、この子につらい思いをさせている」という自責の念。


帰りの車の中でも、色んな思いが込みあげてきて、止まりませんでした。

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それぞれの人生を生きるために、いま私ができること

息子は、まだ入院生活に慣れず、つらい思いをしているようでした。


「わたしは母親失格だ」と、どうして思ってしまいます。


「わたしが母親じゃなければ、手が出る子にならなかったかもしれない」

この子が他害するようになってからずっと、消えない気持ちが、強くなりました。


家に帰ってからも、ずっと涙が止まりません。

息子が、他害と暴言を繰り返すようになってしまった現実を受けとめきれない日々。

そんな苦しい現状だからこそ、息子のために、この入院を選んだこと。


向き合うのがつらい現実だけれど、わたしはわたしで、がんばりたいと思います。

息子がこれだけがんばっているのだから、逃げずに、私も立ち向かっていかないといけない。


やがて、息子も大人になります。

明るい未来をえがくのは、いま、正直とても難しいです。

だけど、息子は息子で、自分の足で歩いて行かなくてはならない時がやがて来ます。


それをそっと後ろから見守り、時には支えられる自分でいたい。

そのために、わたしはわたしの人生を、まっとうしていかなければならない。

そう強く思った1日でした。

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おわりに

面会を終えて、生活に慣れるまで時間が掛かりそうな息子に、新たな心配の種ができました。

不安な気持ちいっぱいで、今もまた「すぐに会いたい」と思ってしまう自分がいます。


だけど、息子が頑張っているのを邪魔したくない、そう思います。

できる限り、面会は週1回にとどめていくつもりです。


息子へ。

本当にがんばっているね。大好きだよ。

あなたが生きていてくれるだけで、ママは幸せだよ。


ママもがんばるから、息子もがんばってね。

そんな気持ちを、そっと心において、わたしはわたしの生活を送っていきたいです。


同じように、子どもが入院生活を送っている親御さんもいるかと思います。

いつかまた一緒に暮らせる日を楽しみに、今をがんばりましょうね。


ここまで読んでくださって、ありがとうございました。

それではまた、明日。

\児童精神科の看護師さんが書かれている、名著です!子育てのバイブルです!/

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